空前の健康ブームで皆さんの健康意識やダイエット意識もかなり高まっている印象があります。特に夏前になるとダイエットの意識がグンと高まり、急いで痩せようと頑張る人が増えてきます。その時によく聞かれるのが「夏まで(残り２ヶ月)に５kg痩せたいんですけど、どうしたらいいですか？」という類のもの。そこで今回は短期ダイエットの良し悪しについて、コラムを書いていきたいと思います。
短期ダイエットを行う上で知っておく事
短期集中ダイエットの代表格ライ〇ップ
ライ〇ップの短期ダイエット
ポップな音楽と圧倒的な変化が分かるビフォーアフター映像で、一気に認知度を高めたパーソナルジムの代表格である某企業。設立当初から今日に至るまで金額は高いものの、結果にコミットしてくれるという点で、今まで数多くの方が通われました。このジムが結果を出せる最大の理由は食事制限です。徹底的な糖質の排除と高重量を扱った筋トレによって、強制的に身体の中のエネルギーを枯渇させて体重を落としていきます。その中で筋肉量も同時に減っていってしまうので、リバウンド体質の出来上がり。ダイエット成功後に体重が元通り、または元の体重以上に増えてしまう事例も多数報告されています。「えっ？ビフォーアフターの写真を見ると凄く筋肉質だから筋肉落ちてないでしょ？」と思われるかもしれませんが、あれは残念ながら撮影技術です。筋肉のメリハリはある程度操作出来ます。下からライトを照らす事で“ぼってり”としたボディラインにする事が出来ますし、上からライトを充てれば陰影が出来て、カッコいいセクシーなボディラインを作り出す事が出来ます。パーソナルジム業界としてはかなり高いダイエットジムなので、その金額を払ったから通って結果を出さなきゃという心理的な枷も良い意味で働くようです(※経験者談)。私達パーソナルジム業界では決しておススメしないのが、某企業です。「行くな」とは言いませんが、裏側はしっかりと知っておいた方が、選択の幅は確実に広がります。
２ヶ月で10kg痩せるのは現実的か！
私のお客様でも「２ヶ月で10kg痩せたい」と言ってくるお客様がいらっしゃいます。ダイエットを考えた事がある人は誰しも思った事があるんじゃないでしょうか？まずは適正なダイエットの痩せ幅の数値をお伝えします。基本的には１ヶ月後に落として良い体重は、今現在の体重の３～５％と言われています。下に例を記載致します。
体重60㎏の人の場合
１ヶ月後に目指して良い体重→60kg-(60kg×3％)＝58.2kg
２ヶ月後に目指して良い体重→58,2kg×(58,2kg×3％)＝56,4kg
※２ヶ月で落として良い体重は3.6kg
このような数値となります。つまり２ヶ月で１０ｋｇのダイエットは明らかに“やり過ぎ”なのです。極端にやり過ぎると身体がびっくりして体重を元に戻そうとします。これは生理的な反応で、専門的にはホメオスタシスという機能が働きます。このホメオスタシスが引き起こす現象がリバウンドです。つまり、体重を極端に落として痩せてしまうと生理的反応でリバウンドをしてしまいます。全て数値通りに進むとは限りませんが、少なからず参考にはしていただいてリバウンドしないように注意しながらダイエットに励みましょう。
短期ダイエットが流行ってる理由
ダイエットというと、重い重量を扱った筋トレや辛い食事制限、１日に何キロも走らないと効果が出ない！などのネガティブなイメージが付きまといます。こんな辛いダイエットでも“たった２ヶ月”という縛りがあれば、頑張れたりします。２ヶ月なら大好きなケーキも我慢出来るし、トレーニングも毎日やってみせる…そんな思いで短期集中ダイエットプログラムに参加される方も非常に多くいらっしゃいます。ダイエット等の辛い作業というのは、心が保てるのが２～３ヶ月程度と言われています。なので心が保てる内に痩せようという事で、短期のダイエットが流行っています。繰り返しになりますが、この先駆けがライ〇ップです。２ヶ月で短期集中ダイエットをした後に、体型を維持できる人は極稀ですが、それでもお医者さんに「このままの体型ではいずれ大病を患いますよ」とレッドカードを出された！なんて人は、短期ダイエットも選択肢に入れてもいいかもしれません。
短期ダイエットのデメリット
急に痩せると心臓が悲鳴を上げる
急なダイエットは心臓への負担が増える？
続いて短期集中ダイエットの危険性についてお話していきます。アメリカのブラウン大学附属病院の研究チームの調査によると、体重が5kg以上痩せた後で元の体重に戻ってしまった女性は、体重が常に安定している女性に比べて心臓突然死のリスクが3,5倍に高まるそうです。対象者は閉経後の女性約16万人で、平均で11.4ヶ月間の追跡調査。体重のデータを基準にして「安定」「増加」「減少」「痩せる太るを繰り返す」の４種類に分類して研究したようです。この研究の結果、体重の増減を繰り返す…つまり痩せたり太ったりというリバウンドダイエットをしている女性は、冠状動脈性心疾患の死亡リスクが66％増加する事が判明したそうです。そして驚く事に体重が増加した後、または痩せて体重が減少した後に戻らなかった女性では死亡リスクは増加しなかったそうです。このデータからも分かるように、急に痩せてからリバウンドするダイエットは非常に身体への負担が高いのです。ダイエットを頑張って痩せたとしても、死亡リスクが上がってしまっては元も子もないので、やはりダイエットは中長期で計画的に行うのが良いでしょう。
骨量にも悪い短期集中ダイエット
急激に痩せるとリスクがいっぱい
アメリカのオレゴン州立大学の研究結果によると、ハイペースでの急激なダイエットは筋肉量の減少はもちろん、骨量の減少の引き金にもなると発表しています。骨量の低下に関しては、特に高齢者の方の骨折リスクを高めてしまい、生活の質を大幅に下げてしまうリスクもあります。ダイエットを頑張って痩せたその後に、リバウンドで体重が戻ってしまったとしても、一度減ってしまった骨量は戻らないので非常に危険です。筋肉はリカバリー出来るかもしれませんが、私達の身体を土台として支えてくれる骨がもろくなってしまう、短期集中ダイエットはやはり熟考した上で実践するか否かを判断するようにしましょう。
短期集中ダイエットは脳卒中も誘発！？
短期ダイエットは病気誘発の温床？
ニューヨーク大学医療センターの研究で、「心筋梗塞などを起こした事がある患者さんが、その後の数年間で体重が大きく変動してしまうと、心筋梗塞や脳卒中等増えてしまい、かつ寿命にも悪影響を及ぼす」という事が明らかになったそうです。この研究のニュースソースである「ニューイングランドジャーナルオブディシン」にて発表されました。この研究チームは、コレステロール降下薬の効果を検討した臨床試験に参加した患者約9,500人を対象にし、健康状態と体重の変化を４年間以上追跡調査して、急激に痩せたり太ったりを繰り返すダイエットの影響を調べました。その結果、急に痩せたり振ったりする人は心血管疾患や心筋梗塞、心停止や血行再建術の施行や閉塞性動脈硬化症、狭心症や脳卒中、心不全を引き起こしやすいという事が判明しました。痩せたり太ったりの振り幅別で比較してみると、幅が最も大きい人と小さい人で死亡リスクが24％、心筋梗塞リスクが17％、脳卒中リスクが36％も上昇したそうです。このような点からも、やはり急激に痩せたりする短期集中ダイエットはデメリットの方が多いと感じます。この次の章では、このような危険な短期集中ダイエットにおいて、最大限リスクを軽減して効果を出す為のメソッドを公開します。続いて次項もお読み頂けると幸いです。
短期ダイエットで痩せる方法
食事と筋トレならまず食事で痩せよう
ご飯何杯分で１kg落とせるのか？
ここまで短期集中ダイエットの危険性についてお話してきました。それを踏まえて、短期集中ダイエットでどうしても痩せたいという人の為に向けた方法を記載していきます。結論で言うと、筋トレよりも食事制限の方が圧倒的に体脂肪は減少します。例えば体重60kgの人が軽度～中強度の簡単な筋トレを１時間行った際に消費するカロリーは約220㎉です。これはご飯１杯分やいなり寿司２貫、豆大福１個、ポテトサラダ１人前、目玉焼き２個分に匹敵するカロリーです。筋トレを１時間というのは結構ハードです。私自身、１時間の筋トレを毎日は絶対にやりませんし、やれません。それに引き換え食事制限なら、夜に白米を抜くだけで220㎉の消費になります。脂肪１kgを燃やすのに必要なカロリーは約7200㎉ですから、ご飯を１杯抜くだけで１ヶ月で１kgが落ちるかどうか？まではイケます。更に野菜中心の食事にしてみたり、タンパク質を多めに摂る事で、摂取カロリーと消費カロリーの計算上のバランス数値よりも大幅に体重が落ちていきます。３食でそれぞれ摂取カロリーを240㎉減らす事が出来たとしたら、
240㎉×３食×30日＝21600㎉＝脂肪３㎏分
となり、継続する事で２ヶ月で体重を６kg分落とす事が可能となります。更にダイエット当初は浮腫みが取れて水分が落ちていきますから、その分を考慮すると８～１０kgも現実的に落とす事は可能です。
１ヶ月で12kg痩せたダイエット方法
プロ格闘家のダイエット方法
私自身、20代の頃は現役プロキックボクサーとしてボディメイクやダイエットをハードにこなしていた時期があります。試合に向けて過酷なダイエットをしましたが、そのダイエット法について書いていきたいと思います。
・早朝５kgランニング後にプロテインとバナナ
・仕事(スポーツクラブスタッフ)中は巡回を兼ねて室内をウロウロ歩きながら有酸素運動
・昼過ぎの練習までにおにぎりを２つ＋プロテイン
・練習前に公園ランニング(５kg)後、ジムワーク３～４時間後に公園ランニング10km
・職場に戻り、筋トレ＋ランニングマシン30分
・夕飯はキャベツ１玉を味噌と味醂で炒めて(ノンオイル)、鶏むね肉を１枚茹でた物
皆さんはこの生活を週６～７日で実践出来ますか？(笑)この時は私も知識が不足していたので根性論で痩せようと頑張っていました。今ならもう少し効率よく痩せる事が出来ますが、それでも相当しんどいかと思います。とにもかくにも食事を徹底的に制限し、脂質はほぼ０。食事を楽しむとう概念はダイエット中は捨て去りました(笑)ここに記載させていただいたのは、あくまでも「私はこんな感じでやってましたよー」って言うだけで、決してマネしないようにしてください。
痩せるには筋トレと有酸素の両立
痩せるには食事制限をするのが手っ取り早いですが、しっかりと筋トレをして筋肉量を維持または増やしながら痩せていくのが一番かしこい方法です。ざっくりと言ってしまえば、筋トレ後に有酸素運動をして、プロテインを飲む！これが一番のダイエット正攻法です。当ジムに来ていただくお客様は、自宅出発前にブラックコーヒーまたは緑茶を飲んで自転車や歩いて(有酸素)来店。整体をしてから筋トレを行い、帰宅(ここでも有酸素)というサイクルで効果を出しています。どんなダイエット方法が良いかを探す前に、体重が落ちて痩せる生理学的な流れを熟知し、自分のライフスタイルにどうはめ込むか？を考える方がよっぽど効率的です。実際、私は週３回×30分の筋トレのみで、食事も飲み会が多いのでガマンしないようにしています。それでも体型を維持出来ているのは、太る理屈と痩せる理屈を熟知しているからです。是非皆さんも将来にわたっての財産として、この方法論を知る努力をしてみてください。
まとめ
いかがでしたか？短期集中ダイエットをするには食事制限が一番効率が良いですが、身体への負担を考えるとやはりおススメは出来ません。それでも人生一度の晴れ舞台である結婚式や、お医者さんからのレッドカードが出ている方はやむを得ずに短期集中でダイエットを提供する場合もあります。リスクをなるべく少なくして行う事で、痩せた後も体型をキープ出来るようにサポートしていきます。もし今回のコラムを読んで体験に行ってみたいと思っていただけた方は、下記フォームよりお申込みください。
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月島・勝どきエリアのパーソナルジムenbody 代表パーソナルトレーナー原田 雅人
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当パーソナルトレーニングジムでは「パーソナルトレーニングを通じて、お客様の人生の質の向上をお手伝いする」をモットーに活動しております。
私自身、幼少期から様々な身体の不調に悩まされてきましたが、それを解決してくれたのがトレーニングでした。
ぜひ今あるお悩みを解決してもっと幸せになって頂くためのお手伝いをさせて下さい。
パーソナルトレーニングを通じて皆様の人生を向上させる事ができる事の喜びと責任を持って、常にベストな提案をしてまいります。
今に驕ることなく、日々探求しながらより良いサポートができるように邁進しております。
そしてこの地域に少しでも貢献していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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